2014年11月28日金曜日

関係性に光を当てる

 前回ブログ「天道に適う」で書きましたように、養生においては、行動だけではなく、心や気持ちもまた『和する』ことが大切」と述べました。


 天道には、善や悪は存在しません。


 ましてジャッジすることも、されることもありません。



 ただ、覚えておかなくてはならないことは、天道に逆らえば、自らの寿を縮めることになるということだけです。



 天道は、我々の都合には全く関係なく、生じ育て、枯らし破壊します。


 ちなみに高級神霊とは、このような存在です。

 ですから私たち人間は、時に寒暑に適い、時に寒暑を避けることの必要性も出てくるのです。



 病に陥ってしまったり体調がすぐれない時、この天道に適っているかどうかを、自分に振り返ることは、とても大切なことです。




 その際の要点のひとつとして、関係性を見つめてみることです。



 古典(黄帝内経・素問 上古天真論)に記されていることは、きわめてシンプルで簡単なことです。

 ところが、現代に生きる私たちにとっては、腹八分目にして早めに休むという、簡単で当たり前のことにさえも、非常に困難さを感じてしまいます。


 いったい当時と今と、何が異なるのでしょうか。


 ひとつには自分の生活が、体が、心が、複雑に自分以外のものとの関係性で成り立っているからです。


 ひとりの人間を取り巻く関係性が、太古に比べて広く複雑になっているからです。

 そして、あらゆるものと関係性で繋がっていながらにして、それを認識できなくなっているのです。

 だかららこそ、時に素朴に原点に立ち帰り、今を振り返る必要も出てくるのです。

 

 自分を変えたい、今の生活を変えたい・・・そのように願うのであれば、関係性に光を当て、具体的に、現実的に選択と行動を変えていくことです。


 自分自身との関係・・・これが基本です。

 自分と家族との関係


 自分と友人・同僚との関係


 自分と居住している場所との関係


 自分と自然との関係・・・etc.



 関係性は、無限のつながりを持っています。

 その中の、どこに光を当てるのか。


 ご自身の、感覚で。




 ※ 『一の会 養生講座』 身体的健康法に加えて、自分の感覚を取り戻そうとする試みでもあります。
   直近の予定

   11月29日(土) 永松先生による「身体学講座」

   12月6日(土)  筆者:金澤による「呼吸瞑想」。


※ 自分の「感覚」に関して、「いおり日記Part2」で触れています。ご参考になさってください。
                        

   「自分の感覚で」 「数字で計れないもの」 「就寝時期の大事‐陰陽に適う」





2014年11月27日木曜日

天道に適う

 前回ブログでは、養生の基本は、『和する』ということであると、お伝えしました。

 大きくは、一年の四季の変化に適うように生活をする。

 これは、行動だけではなく、心や気持ちもまた『和する』ことが大切です。

 古典には、


 「 精神的にはを静め、何かしなければなどという志は仕舞い込み、ひそかな心持ちで、満ち足りた気分でいなければならない。 」

 と、このように記載されています。

 仮に欲しいもの、成し遂げたいと思うようなことがあっても、すでに手に入っているかのような、すでに成し遂げたかのような心持で過ごすことが肝要であると述べられています。

 これは、天道に適うことでもあります。

 天道に適った心と行動。

 東洋医学の根底にある思想です。

 これから年末に向かい、何かと気ぜわしくなりますが、本来の在り様としてちょっと頭の隅にでも置いておくと、我に帰って落ち着くことも可能かと思います。


 このあたりのことは、黄帝内経・素問 「四気調神大論」に述べられています。

 平易に意訳したものを、筆者のホームページに載せているので、興味のある方は訪ねて下さい。

 『 いおり鍼灸院 』 → 季節にあった養生法


 また、四季によって自然界の気がどのように変化するのかを知りたい方は、下記ブログを訪ねて下さい。古典に基づいて、出来る限り具体的、詳細に記載しています。

 『 鍼灸医学の懐 』 → 黄帝内経・素問 「四気調神大論」


 みなさま、体調を維持して年末を乗り切りましょう!


 

 




2014年11月22日土曜日

年内開催予定

養生法というのは読んで字の如く、人それぞれが個性を発揮して、健康で人生を全うするために、いかに生を養っていくかに焦点を当てたものです。

年内の開催講座の予定を、お知らせいたします。

現代は、何事も速度や展開がめまぐるしく移り変わり、つい自分の心身の状態を見過ごし深い疲労や心身の異常を来たしがちです。

呼吸法は、心と体を繋ぐ重要なものとして、古来よりヨガ・気功、太極拳・合気道、禅や宗教的修行の際に最も重要なものに位置付けられています。講座では、主にまず基本的な腹式呼吸の練習を行います。

また呼吸法と瞑想を通じて時に立ち止まり、自分の心に、身体に何が起きているのか。自分の心と身体に向き合い、感じ取ることを最初の目的とします。

自分の心身に何が起きているのかに気づき、無意識的な感覚に意識の光を当てます。

『未来は、いまの延長』です。『呼吸瞑想』は健康法としてはもちろん、自分に気づき、自己をよりよい方向に導くためのメソットです。

そしてこれまでお伝えして参りました、永松先生による『身体学』では、気功・武道をベースとし、効率的な身体の使い方を身につけ、労働内容の如何を問わず、疲れにくい体づくりを目指すだけでなく、穏やかにいつまでも、生き生きさや若さを維持することを目的としています。

みなさま、どうぞご都合をつけられてご参加ください。


 『身体学講座』 永松先生

1129日(土) アドバンス
1213日(土) ベーシックStep2
1220日(土) アドバンス

『呼吸瞑想』 金澤先生 

126日(土) ベーシック1

日時 : 午後5時から6時まで。
会場 : 大阪市淀川区西中島4-3-5 NLCセントラルビル5階 会議室
定員 : 10
参加費 : 2,000
申込方法 電話・ファックス・メールで
Tel & Fax : (06) 6307-1122 いおり鍼灸院内
Mail : seminar@iori-hermitage.jp
当日、床に敷くタオルケットなどをご用意ください。




2014年11月21日金曜日

永松先生の気を意識した身体の使い方 Basic1

 永松先生による、気を意識した身体の使い方


 この養生講座では普段の生活をどのようにしたら、身体にかける負担を少なくし、より健康的に毎日を過ごせるかをテーマにしています。



 Basic1では腹式呼吸の練習から始まります。






 呼吸というのは、生きている限り止まることなく続く行為です。

 そんな無意識に続く呼吸をほんの少し意識して変えることで、身体や心をより良い状態にすることが可能です。



 最近ある映画のキャッチコピーがいいなと思いました。


 「知ってる?呼吸ひとつで人生って変わるんだよ。」というものです。



 呼吸で人生が変わるなんて信じられないかもしれませんが、それだけ呼吸はわたしたちの身体や心に与える影響というのは大きいんです。



 わたしはまだ実践途中ですが、以前の自分と今の自分とを比べると少しずつですが、変わってきていると思います。


 特に疲れやすい人や身体のどこかに常に不調がある人。



 そして身体だけでなく、心もすぐに疲れてしまう人。



 イライラしてしまう人、満たされないなどの思いで悩んでいる人。


 このような自覚のある方は、意識的に自分の呼吸を見つめてみることをお勧めします。


 ただ日常でそんなにじっくり時間が取れない、


 自分一人ではなかなかやりづらい。


 そんな方にはぜひ養生講座に来ていただくといいと思います。




 永松先生の養生講座では、普段何気なく行っている日常の動作などに焦点を当てます。


 ほんの少し意識して改善することによって、半年後、3年後、10年後の、身体や心の状態は全然違って来ると思います。


 そして身体や心を通して自分を見つめる時間が増えれば、生きるということに対してより楽しく、ポジティブに捉えることができると思います。






2014年11月20日木曜日

講師紹介動画 : 永松周二先生



(上のスペースに動画が表示されない方は、こちらからご覧ください)


 養生講座『気を意識した体の使い方』と、東洋医学講座『東洋身体学基礎』の担当講師であり、いおり鍼灸院の木曜日・午後の担当鍼灸師でもある、永松周二先生を動画にてご紹介します。

 養生講座での腹式呼吸の実演場面や、東洋医学講座での太極拳の実演場面などが撮影されております。

2014年11月18日火曜日

養生の基本-和する

 自然との調和


 人との調和


 自分との調和


 気が流れれば 病は消え


 生きる喜び やって来る




 この標語は、筆者の治療所、いおり鍼灸院のロゴと共に掲げているものです。


 すべての養生法に共通するのは、『和する』 ということ。 


 では、『和する』とはいったい、どういうことなのでしょうか。


 『和』 のイメージを図で表現すれば、円になります。

 この円は、常に流れ、動いています。


 


 
養生の基本は、自然との調和。四季に適った生活。


 自然界の気は、常に流れ、動き、変化していています。

 人間もまた同様に、生きている間は、気が流れ変化しています。


 自然界に暑気が満ちていると、人間は肌表を開いて汗を発して陽気を漏らす。

 自然界に寒気が満ちていると、人間は肌表を閉じて陽気を保持する。



 暑い時には、暑いように。

 寒い時には、寒いように過ごす。


 暑さを避けて、涼をとる。
 
 寒さを避けて、暖をとる。

 これが自然に『和する』、調和するということ。



 翻って現代では、クーラーや暖房機を使って、夏に冬の環境を作り、冬に夏の環境を作る。

 冷房の効いた部屋で薄着になって、極端に熱い物や冷たいものを飲み食いする。

 暖房の効いた部屋で炬燵に入り、アイスやビールを飲む。

 こうやって人は自然に反して消費し、環境は汚れていく。

 人もまた同様に、これでは病にならないのが、不思議である。